どんぐりたちのおはなし vol.1

どんぐり日記

どんぐりたちのおはなし とは…?
コアメンバー3人×3組による対談。大学生から社会人まで所属するどんぐり企画では、演劇を始めたきっかけも、携わる部署も、演劇を含むライフスタイルも皆それぞれ。どんぐり企画でクリエイティブをする計9人のストーリーをひも解く、2周年特別企画です。

演劇を始めたきっかけと、
それぞれの学生演劇

鳴海:第1回のメンバーは、3人とも学生演劇出身でかつ、僕は2人とも共演経験があります。あと、木原さんと愛花さんも、僕と愛花さんも、制作として劇団訪問で大学時代に会ったことがあるんですよね。不思議な縁のある3人で、面白い話ができそうだなと思っています。まずは、演劇なぜ始めたのかという話を聞いていきたいのですが、どうですか?

愛花:私は、高校の演劇部で始めました。中学以前からずっと興味は持っていたのですが、喋ることが苦手で、ずっと手を出していませんでした。もともとクラシックバレエと日本舞踊をやっていて舞台に立ちたいなという思いもあって、高校で演劇部に入りました。生きがいというか、演劇をきっかけに自分が変わったから、これを続けていけば、本来の自分を取り戻せるんじゃないかなと思って、大学でも「劇団狸寝入」に入部しました。

鳴海:日本舞踊も続けていますよね。

愛花:今もやっています!神戸の方の地域のお祭りで踊ったり、福祉施設で踊ったり。

木原:この間も稽古帰りに話を聞いて、一回絶対見に行きたいんです!

鳴海:二人はクラシックバレエつながりでもありますよね。木原さんが演劇始めたきっかけはなんですか?

木原:私の場合は、幼稚園までさかのぼります。お遊戯会でビーターパンのティンカーベル役をやって、金の粉を撒いてホウキで掃くっていう。それしか覚えていないんですが、その楽しかった経験が原点かなと思います。私も、バレエをずっと続けながら中学で演劇部に入部して、高校では演劇部が無かったので、野球部のマネージャーをしていました。文化祭のクラス劇で幼稚園ぶりにピーターパンのティンカーベルを演じるなど、演劇をもう一度やりたいという気持ちはあったんです。でも、大学入ってからも、通っていたキャンパスに演劇部が無くて諦めかけていました。そんな時に、英語のクラスで一緒だった2人が演劇サークルを作らないかと声をかけてくれて、「京田辺、演劇ないん会」の立ち上げメンバーに加わることになりました。

鳴海:なるほど。僕は、木原さんと出身高校が同じで同級生なのですが、言ってくれたように、文化祭では全学年全クラスが30分ほどのクラス劇をしないといけなくて。僕は、1年生から毎年、劇の脚本や演出的な立場をやらせてもらったんです。それがきっかけで、舞台の面白さを知って大学では絶対演劇やるって決めていて、僕は大学で「演劇研究会はちの巣座」に入部しました。
愛花さんが所属していた狸寝入も、はちの巣座も何十年という歴史を持つ学生劇団ですよね。継承されてきたノウハウがあって、僕らはそれを教わる形で色々身につけたわけですが、木原さんの立ち上げた、ないん会は0から1だったわけで。大変だったこととかはありますか?

木原:もちろんいろいろありました。他の大学の演劇界隈がどうなっているとかが全然わからなくて、高校の頃の知り合いで大学演劇をしている人たちに聞いたり、稽古場見学に行ったりしました。他劇団との交流の重要性を感じて、劇団公式SNSのアカウントを作ったのが、私が制作部署をすることになったきっかけです。

鳴海:他の学劇から色々吸収していったんだ。

木原:今は、部室が割り当てられる登録団体として認められたり、京都学生演劇祭に出場したり、学内に留まらない活動で頑張っているんだと思います。

鳴海:愛花さんが所属していたのは狸寝入ですが、当時関学には4つ演劇系の部活がありましたよね。その中で狸寝入を選んだのには何か理由があるんですか?

愛花:もともとミュージカルが好きで、歌・お芝居・踊りに興味があったのですが、大学で特にお芝居の部分を極めたいと考えた時に、狸寝入が一番上達できそうだなと感じたからです。

鳴海:確かに、何度か狸寝入のお芝居を見たことがありますが、しっかり会話をしつつもエンタメ性もあるバランスの良い芝居をするイメージがありました。あとは留年がめっちゃ少ないという噂も聞いたんですが…

愛花:そうなんです!私は資格を取るために大学に入ったので、絶対に両立したいと思っていたので狸寝入を選びました。

仕事や研究と演劇を両立する
3人の今とこれから。

鳴海:僕は会社員、愛花さんは保育教諭、木原さんは大学院生をしながら、どんぐり企画に所属して演劇を続けているわけですが、大学卒業時から演劇続けようと思っていたんですか?

愛花:続けたいとは思っていましたが、両立は難しいだろうなと思っていました。平日に休みを取りにくかったり、行事が被ると土日も忙しかったり。でも機会があれば、再開したいとずっと考えていました。それで、どんぐり企画の第2回公演で衣装小道具をやったのが復帰公演だったんです。

鳴海:なるほど。僕も社会人になるタイミングで、演劇なんかやる余裕はないだろうと考えてやめるつもりでいたんですが、実際に働いてみると土日を上手く使えばできるということに気がついて、再開しました。木原さんも一度演劇を離れていた時期がありましたよね。

木原:私の場合は、参加していた劇団でしんどいこともあって、2年くらいは一旦つくる側に参加するのはやめていました。私もしっかり座組に参加してという意味では、第2回公演が演劇復帰公演でした。

鳴海:二人ともその公演をきっかけに、コアメンバーに入ってくれたわけですが、理由とか聞いてもいいですか?

愛花:単純に第2回公演がすごく楽しかったというのが一番です。どんぐり企画のつくる物語が好きで、こういうお芝居を続けたいなと思って、所属を決めました。

外野の脚本家(菜歩):にやけちゃうね。

木原:私は第2回公演の物語にすごい共感したのがきっかけです。演劇を楽しかった思い出として封じてしまうのもありかなと一時期は思っていたんですが、必ずしも離れなくてもいいなと、周りの目とか誰がどうとか関係なく、自分がどうするかだなと思って所属しました。

外野の脚本家(菜歩):ふふふふ、ふふふ、

鳴海:過去・現在と話してきたので未来の話もしたいのですが、これからやってみたいことはありますか?

木原:これはどんぐり企画関係ないけど、愛花さんとバレエしたいです。

鳴海:本当に関係ない

木原:あとは、役者として幅を広げたいです。いつも同じような役をしがちなので、悪い役とかやってみたいですね。

愛花:私は、どんぐり企画の第2回公演で初めて小道具を担当させてもらったのですが、作るのが楽しくて。

鳴海:あれは小道具の量もクオリティもすごかったですね。

外野の演出(菜歩):あれがあって役者もみんな役に入り込めたと思う

愛花:嬉しいです。だから小道具をもっと頑張ってみたいと思います。あとは、自分自身が喋るのが苦手だったからこそ、喋ることが楽しいよってお客さんに伝えられる役、喋ることで生き生きしている役とかやりたいです。

鳴海:いいですね。そういう要望とかが脚本家の筆を進めるので、どんどん言ってほしいです。どんぐり企画は、今すべてのスタッフ部署が揃っていて、劇団としてかなり小回りの利くようになったなと思っています。もともとみんなが実現したいことをできる土壌として、企画を立ち上げたということもあるので、どんぐり企画としてじゃなく派生企画としてでも、みんなの「こんなことやってみたい」を実現していきたいです。

木原:鳴海さん自身はやりたいこととかないですか?

鳴海:そもそもどんぐり企画を立ち上げた経緯が、自分のやりたいことをマイペースにやるためだったので、どんぐり企画が存続する限りは、自分のやりたいことを実現できているなと思っています。個人的には、今回映像企画に挑戦していて、これを極めていったら唯一無二の劇団になれるのではないかなという感覚があります。舞台と映像の接続を試みるのは新鮮味があって、やる側としても面白いです。みんなが書いた短編脚本をショートドラマにするとか。舞台芝居に縛られない活動していきたいですね。